「話の前提を知る」ということは、現場の問題を上司と話すときに、口を酸っぱくして言われることの一つです。
例えば、「検査を依頼した医師に検査結果を電話で伝えたいのだが、つながらないことが多い。電話連絡の専属交換手のようなスタッフを近くにおいてほしい」という意見が現場から上がってきたときに、考えて行くステップは以下のような順番になると思います。
1.検査結果の電話連絡に関する取り決めはあるか(ルールの有無の話)
2.どこまで電話連絡をしなければならないことになっているか(ルールの内容の話)
3.電話連絡の取り決めを変えればその問題は解決できるか(ルールの見直し)
この3つの検証ステップは、「現状を維持にした場合問題が生じるか?」という観点から考えていくべきことであり、この検証を経てもなお、問題が解決しなさそうなときに、初めて「現状からの運用を変更する」というところに行きつきます。
例えば、もしかしたらこの意見を上げたスタッフは、
1の取り決めの存在を知らなかったのかもしれませんし、
2の連絡網について、決められている業務の一歩手前で連絡することを諦めてしまったのかもしれません。
また3で言えば、ルールには書かれていないが、話を聞いてくれそうな部署や人に相談しなかったのかもしれません。
ここまでリサーチをかけたうえで、初めて「では、現状維持も含めて対案を考えましょう」となります。
※ちなみに、今回の場合は、「ルールはあったが、電話連絡を途中で中断してしまった。でも相手が捕まるまで電話をかけ続けるのは大変なので、何とかしてください…」というお話でした。
「現象に飛びついてはいけない」ともよく上司は言うのですが、どんな組織のどんな仕事にも、前提になっているルールが何かしらあるはずですので、それを理解することが問題解決の第一歩なのだと感じます。