暑い季節になりました。
この時期になると、介護のために祖母の家に通っている母親が必ず愚痴を言うことがあります。
それは、
「草木の水やりのために早起きしければいけないのが大変。」
(夏場なので、撒いた水が地面で暑くるなるような気温になる前に水やりをしなければいけないそうです)
しばらく愚痴を聞いていると、「というか、あんなに草木を入れたのは私じゃないのに!プンプン!」と機嫌が悪くなる始末。おばさんが入れたお花とかの手入れが大変になっているみたいです。。
この話、何か聞いたことあるな~と思ったら、うちの病院でも同じ現象が起きていたのに気づきました。
最近関わっている仕事で、医療機器の管理のお手伝い(臨床工学技士さんと一緒に管理方法をプランニングする)があるのですが、調べれば調べるほど、水をやらなければいけない草木のように、管理をしなければいけないはずの医療機器が出てきます。
もともとは、「機器に必要な防護具(例えばレーザー機器だったらゴーグルなど)が揃っていない」というところからこの仕事が始まったのですが、掘り返してみると、
医療機器機器に付属すべき防護具がない
→その医療機器の管理者が決まっていない部署がある
→そもそも病院全体のルールとして、医療機器管理の方針が十分でない
と、大元から整理する必要がありました。
病院全体のルールとしては、それぞれの機器の重要度を厚労省のクラス分類などで場合分けをして院内の機器に点検の優先順位をつけていくことで、
医療機器の管理者は、それぞれの部署で責任者を立ててもらい、点検を行う際の窓口役や毎年の予算申請を各責任者にお願いすることで、何とか対応が出来てきています。
しかし、もう一つの根本的な問題として、「新しい医療機器を購入する際に、管理者・管理方法まで決めておく」ことにも取り組まなければいけません。
草木を植える前に「誰が水やりや雑草取りをするのか」を考えるように、
医療機器も購入する際には「誰が、いつ、どのような頻度で点検をするのか?」「点検・維持費用も含めたランニングコストはいくらになるのか?」を考える必要があります。
事務部門の購買課とも相談し、機器購入の意思決定の際にこのような部分を一緒に審査してもらえるよう、提案をまとめているところです。
臨床工学科の部署の予算や人数が無限にあるわけではないので、今回のように各部署の責任者にうまく管理業務や予算立てを任せていかなければなりません。医療機器のことは、買うのは各部署の希望で、後の管理は技師さん任せ…とどの医療者も思い込んでいるのですが、このような仕組みを通じて責任の所在を明らかにし、購入=その後の維持にも関わること、を文化として根付かせていく必要があります。
病院全体で標準的に医療機器が管理され、安全に医療機器を使える仕組みができるまでにはもう少し時間がかかりそうですが、事務の立場から臨床工学技師の仕事を粘り強くサポートしていこうと思います。