手術を受けるときはかつらを外しましょう。

「手術室に入る直前に、患者の髪の毛がかつらであることに気づいた」という看護師のヒヤリハットの報告をヒアリングしたことで知ったのですが、手術を受ける時には、身に着けているアクセサリーをはじめ、装着物は外す必要があるそうです。

今回はタイトルそのまま、最近仕事で遭遇したお話です。 笑えるようで笑えないテーマです。

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手術室に入る際は、身一つで!

①爪:マニキュア、付け爪などは外す。

手術中は、爪にセンサーを付けて、動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定しています。

爪は患者の呼吸状態や種々の身体状態を知る大切な観察部位となるため、ここに不純物(?)がついているとその観察の支障になります。

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②眼:付けまつけ、まつげエクステは外す。

手術中は眼の乾燥を防ぐため、眼を閉じるようにテープで止めるそうです。

テープを使用するにあたり、付けまつげやまつげのエクステはその支障となるため、外す必要があります。これが出来ないと、角膜が乾燥し、感染症や炎症を引き起こす危険があるようです。

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③頭:ウィッグ、かつらは外す

今回のヒアリングを通じて初めて知ったのですが、電気メスとは人体に電流を流すことにより切開を行う、という機能があります。このためヘアピンなどの金属類でウィッグ、かつらなどが装着されていると、通電による熱傷が発生してしまいます。

以下、Wikipedia「電気メス」より抜粋です。

電気メスは人体に高周波電流を流して、このときの負荷もしくは接触抵抗によってジュール熱が発生し、この熱が瞬時に細胞を加熱し爆発・蒸散することによって切開作用を、細胞の水分を蒸発させタンパク質を凝固させることによって凝固作用をそれぞれ生じさせる。直接電気メスで止血する放電凝固法では直径0.5mm以下の小血管の止血が可能であり、止血鉗子で挟み止血してから血管を電気メスで焼烙する接触凝固法では直径2mmまでの血管の止血が可能であるとされている。

 

JR札幌病院の手術案内が分かりやすかったので、併せてご参照ください。

www.jrsapporohosp.com

看護師さんの立場から見ると…

当たり前ですが、「あなたはかつらですか?」などと面と向かって質問することははばかられるそうです。(当たり前か…)

付けまつげやジェルネイルと違い、一目で分からないようになっているのもむずかしいところですね。

デリケートの話題なので、手術前の問診表に入れてしまい、必須確認項目の一つとして確認することがベターと思います。現在問診項目に含まれていない病院では個人の推理力・洞察力(?)によるところもあるかもしれず、意外と盲点になりやすい分野です。

看護のQ&Aサイトにも、同じような悩みと、同じような対処方法が掲載されていました。

www.kango-roo.com

まとめ

  • 手術室に入るときは身一つになれるよう、事前の患者指導が必須
  • ヘアピンなどの金属類でウィッグ、かつらなどが装着されていると、通電による熱傷が発生してしまう
  • 身につけているものをひとつひとつ聞くのはお互いにやりにくいため、各チェック項目を手術前の問診表に入れてしまうのがベター