病院職員の転職活動記(番外編):大学病院・公立病院の医事課の運営

なかなか終わらない転職活動記ですが、またしても寄り道記事。

転職コンサルタントに紹介してもらった求人情報から見えた、大学病院・公立病院の医事課の運営についてまとめました。

大学病院:管理職の人事異動により崩壊寸前の医事課も!?

求人内容を見ると、大学病院の医事課人材(特に管理職)は本当に枯渇しているような印象を受けました。話を聞くと、「最初は大学職員として雇用されたが、去年まで入試課長だった人が、人事異動により今年から医事課長になる」というような、うそのような本当の話が起きている病院が実際にあるようです。

その人の能力というよりも人事が悪いと思いますが、昨年まで大学事務をやっていた方が、いきなり日々の診療報酬請求や患者トラブルに対応できるはずもありません。結果的にマネジメントの欠如からスタッフの残業時間増加や職員の退職が起こり、医事課が崩壊する…という悲しい現象が起きており、そこのテコ入れのために、若手~中堅クラスでDPCの算定や査定・返戻対応のできる、プレイングマネージャーを探している病院は多いようです。(このクラスの医事課職員はどの病院も欲しがっていると思いますが)

「入職直後はかなり忙しいと思いますよ」と、転職コンサルタントの人に念を押されたので、相当過酷な労働環境なののようですが笑、「医事課の立て直し」を当事者として経験できるのは、非常にやりがいもあって、得られるものも大きそうだなぁと感じました。

公立病院:公務員の出向先としての医事課

大学病院と並んで全国の地域医療を支えている公立病院ですが、こちらも人材難に苦しんでいるようです。

公立病院の場合はもうちょっと構造が複雑で、医事業務や施設基準の届出に関わる部署のスタッフは大半が公務員で、「出向先として医事課や総務課に来た人」なんだそうです。そのため、3~5年スパンで病院で経験を積んだ職員が異動(県庁などに戻る)してしまい、医事や施設基準に精通した病院職員が定着しないという現象が起きているとか。

「赤字に苦しむ公立病院!」なんて、よくニュースなどでも目にしますが、経営に関わる事務職員がそのような扱いになっているのであれば、中長期的な経営改革なんてなかなか実現しないよなぁ…と思ってしまいました。

最近では公立病院が独立行政法人化したりして、職員の身分が公務員でなくなっている病院もありますが、そうすると今度は人材集めにも苦労しそうです。独法病院の求人は見かけなかったのですが、「民間のノウハウを持つ外部人材の登用や経営の見直し」というニュースでよく見るフレーズがどこまで実践されているのか、謎なところも多そうですね。

ja.wikipedia.org

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以上、聞きかじっただけの話ではありますが、大学病院・公立病院の医事課の運営について知ったことをまとめました。

現在、私は民間の市中病院に勤めているのですが、様々な運営形態があって、どこも医事課の運営には苦労している…と実感した次第です。なかなか大学病院・公立病院の方と交流させていただく機会もないのですが、運営形態をまたいで医事課の運営とかについて、若手~中堅職員で勉強会とかできたら面白そうだなーと感じました。

そしてやはりここでも、「病院業界で働くうえで、医事経験があることは大いに役に立つ」という認識を新たにしました。

病院業界での転職活動において、「デキる」医事課職員のニーズが高いことは過去の記事でまとめましたので、よろしければ併せてぜひご覧ください。

www.medical-administrate.org

www.medical-administrate.org

ということで、今回はここまで。

3月中に、あと3回くらいの記事で転職活動記は終わらせる予定です…終わるかな。