医事課異動1週目の備忘録

新年度より、前部署を離れて再び医事課で働くことになりました。

とりあえずこの1週間は、業務を思い出すために窓口業務や患者対応を中心に行っていました。前に医事課にいた時から約2年半のブランクでしたが、意外とどの業務もスムーズにできていて、体で憶えたことというのは忘れないものなんだなと実感し、ちょっと嬉しくなりました。

 

ただ自分も中堅職員の立場なので、いち戦力としての働きだけでなく、もうひとつ上の視点から、業務内容の見直しや効率化、サービスの向上などを考えていかなくてはいけないなぁと思っています。

1週間働いてみて、医事課全体の人不足と、1人当たりの業務過多で窓口業務が回らなくなってきてるのをなんとかするのが喫緊の課題だと感じました。

とりあえず、医事課異動1週目の備忘録として以下の三つの問題点と解決案をまとめておきます。

1.窓口業務の簡素化

人不足でまずしわ寄せが来るのが患者さん対応の窓口業務です。現在は委託職員の方にお願いしている業務なのですが、これまで3人で対応していたところが1人や2人になると、同じ数の患者さんに対応するにも倍近くの時間がかかってしまいます。

職員補充のための採用活動は行っているようですが、採用しても明日から来てくださいというわけにもいきませんし、一人ですべて対応できるようになるまでには時間もかかります。まずは、短期的な視点で「サービスの水準は落とさずに、業務を減らす・なくすことで業務を簡素化させるような改善活動」に取り組む必要がありそうです。

・これまで手集計や紙運用だった業務にExcelや院内のイントラネットを活用

・患者の希望に合わせて説明や対応の濃淡をつける(現在は一律で1から10まで説明していますが、理解力のある人や過去に何度も受診したことのある人には簡潔に説明するなど)

・窓口でのトラブルを職員に報告する線引きを明確化する

など、超基本的なところではありますが、あまり実施されていない印象でもあるので、業務の効率化・簡素化につながる施策に早めに手を付けていきます。これまでは委託化していた部分が4月から派遣化に切り替わったので、病院側が業務にテコ入れをしやすくなったのはチャンスだと思っています。

 

もう少し先の視点を持つと、新しい技術の活用(例えば保険証の登録・確認をスマホ読み込みにするとか)であったり、ネット上での手続き説明の導入などによる業務効率化が考えられますが、病院の情報システムとの連動や院内ルールの整備などに時間がかかってしまいます。

無い物ねだりをするのではなく、まずは「明日できる改善」に目を向けるのが、現場レベルの改善としては正しい方向性だと思っています。

 

2.医事業務に関わる教育の効率化と標準化

医事課での職員教育は教える側・教わる側双方に時間がかかる印象です。

管理部門のOJTであれば、「さっきの会議の議事録つくってみて」「このデータまとめておいて」など、ある程度仕事を投げつつフォローしたり、病院内の職員相手であれば時にはあえて失敗もさせながら、相手のペースに合わせて職員教育ができる環境があります。

一方で医事課は患者さん相手の仕事なので、失敗は許されませんし、その分ベテランが新人への教育やフォローにかける時間が長くなる傾向にあると思っています。

本来ベテランの立場の人には、できるだけ難しい仕事に専念してもらう環境をつくらなければいけません。4月は新しい職員が職員も多く来る季節ですが、人を育てなければいけないということを意識しつつ、新人オリエンテーション中の業務レベルや残業時間を悪化させないためにも、何らかの手を打ちたいと思っています。

 

いちアイデアなのですが、保険登録や院内の手続きの理解度を確認することのできるE-learningをつくることを考えています。院内に導入されているE-learningソフトは既にあり、コンテンツは既存のマニュアルから拾って来ればよいので、基本的な業務をそこで覚えられる仕組みを作りたいと思っています。

もちろん最終的には患者さんを前にした実践あるのみなのですが、いままで「座学」と「実践」の両方にベテラン職員のフォローがついていたところから、「座学」を新人でも一人で効率的に学べる環境をつくることで、職員教育にかける時間を減らせるのでは、という仮説を持っています。

 

またこれにより、院内全体の医事業務の教育を標準化できるのではとも思っています。

外来ではこう教えているけど、入院では違う教え方で、さらにサテライトのクリニックだとまたまた違う教え方…となってしまうのは非効率的なので、「病院としてのオフィシャルな医事業務の教育」というところも視野に入れて教育体制を構築出来たら一番良いなと考えています。

 

3.法定で求められる休日の消化

1と2の先にあるものですが、「休日をきちんと消化してもらうこと」も考えなくてはいけないテーマだと思います。

今年度から有給の5日間消化が義務化され、これに加えて夏休みと土日当番の振休も消化してもらい、その上で十分な患者さん対応ができるシフトをつくる…という難題にどの病院も直面しているのではないでしょうか。(病院だと、土日当番や夜勤のある医療職の方も同じ悩みを抱えていると思います)

「業務の簡素化」と「職員教育の効率化」を実現して、『少ない人数でも同じサービスが提供できる』環境をつくることが、法定で求められる休日の消化を実現するための近道であるはずですので、まずは手を付けられる範囲から改善に努めたいと思います。

 

1週間医事課で働いて、「やっぱり現場は大変だな、疲れるな」というのが率直な感想です。笑

ただ前の記事でも書いたのですが、「管理部門での経験を積んだ自分の立場で、医事課の問題解決に携わりたい」というのが異動の希望理由の一つでした。職場環境をよくしていくための時間を作り、一つずつ前に進めていきたいと思います。 

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