この2月の間、社内研修の一つである「Excel講座」を手伝うことになりました。
もともとは、昨年末にパソコン教室に通っていた5年目の先輩が、他の職員に内容をフィードバックするために開いてくれた研修でした。しかし、内容的に準備を一人でやるのはかなり大変そうだったので、手上げして研修に運営側として参加することになったのです。
(自分も1年目の夏に同じパソコン教室に通わせてもらっており、何かしらの形で還元をしたいことがあったのが、手上げした理由の一つでした)
今回は、研修に運営側として参加したことを通じて思ったことをまとめていきたいと思います。
1.研修は、生徒役よりも講師役のほうが学ぶことが多い
研修の準備をするにあたって、痛烈に感じたのがこれでした。
自分は初回の「基礎編」を担当することになり、パソコン教室からもらったデータをもとに準備を進めました。
もちろん、教材作りだけならもらったデータをちょこちょこいじるだけでいいのですが、講師を務めるとなると、そうもいきません。
研修をする中でプラスアルファで伝えられる機能はないか、飽きさせない話の内容になっていないかなど、「話の脱線」を想定した準備が求められました。
自分の場合、Excelの入力や合計/平均関数などの参加者の人も大体は知っているような超基本を教えることになったので、参加者の興味を引き付ける内容の研修を作ることに苦労しました。
しかしその分、研修までの準備の過程で改めてExcelの基本動作を一から学びなおせました。今回の研修で一番内容を理解したのは自分だという自信もあります(笑)
また、準備段階で協力してくれた先輩や、参加してくださった先輩とのつながりも出来た気がします。
講師役を務めたことで、次に生徒役として参加する研修のときには、講師により良い質問やフィードバックをしなければいけないな、という気持ちも湧いてきました。
「研修の準備」という幅広い守備範囲をカバーしなければいけない分、仕事の筋肉が鍛えられたのではないかと感じています。
2.「基礎の基礎」は意外と誰も教えてくれない
上で「基礎編の内容ぐらいであれば、参加者の人も大体は知っているだろう」と書きましたが、意外とそんなこともありませんでした。
例えば、指定された範囲に入力する際にどうしたら効率的にできるか、数式に組み込むセルを固定する方法は何か、シートの切り替えに使えるショートカットはどこにあるのか、など、知っておくと効率的に仕事の進む「基礎の基礎」が存在します。
しかし研修を講師の視線から見てみると、「Excelを仕事で使うことはあっても、基礎の基礎を頭に入れたうえで仕事をしている人は少ないのではないか?」と感じました。
我流ではなく、本流のやり方を学ぶことで、仕事面でのミスの削減や効率性の向上を期待できるはずです。しかし、そういった本流の方法をきちんと教わる機会、また教えられる人というのは、意外と少ないようです。
大切なのは、きちんとした手順に沿った方法をいち早く習得すること。
そしてそのためには、どこかで自分の時間を投資して、勉強する必要があるのだと感じました。
3.機会があっても学ばない人は学ばない
少々調子に乗った見出しですが、「機会があっても学ばない人は学ばない」ということも今回の研修で得た認識でした。
自分の部署の人を頭に思い浮かべても、「この人Excelの扱いが得意そうだな」という先輩は残念ながらあまり思いつきません。
しかし、研修会の参加者リストを見てみると、自部署で参加しているのは2~3名しかいませんでした。 「月初は忙しいから」が理由なのでしょうか。それとも、今さらExcelの勉強会なんて恥ずかしくて参加できないからでしょうか。いずれにしても残念な結果でした。
Excelの勉強をして思ったのですが、仕事の基本的な技術や知識を知ることで、仕事を確実に遂行できる力が増えていきます。また、ふとした拍子から次のチャンスをモノにしやすくもなるでしょう。
今回の自部署の先輩の反面教師ではないですが、年を取っていっても初歩から学ぶ好奇心と度胸は身に着けていなければいけないと強く思いました。
料理人に会ったら料理のこと、運転手に会ったらクルマのこと、坊さんに会ったらあの世のことでも何でも、知ったかぶりせずに、素直な気持ちで聞いてみたらいい。
自慢話なんかしているより、ずっと世界が広がるし、何より場が楽しくなる。
たとえ知っていたとしても、一応ちゃんと聞くのだ。そうすれば、専門家というものは、きっとこちらの知らないことまで話してくれる。
井戸を掘っても、誘い水をしないと水が湧いてこないように、人との会話にも誘い水が必要なのだ。