病院におけるIT活用と人手不足問題について

「病院におけるIT活用の推進」

「病院における人手不足問題」

は、直近の病院運営において重要テーマとして取り上げられることが多いです。特に前者は『医療DX(デジタルトランスフォーメーション)』とも呼ばれ、医療界隈ではいろんなところで耳にする機会は多いのではないでしょうか。

二つのテーマは密接な関係にありますが、つなぎ方がとても大切であり、そこを間違えると医療機関にとって使えないITシステムが入り、人手不足の現場にその管理の仕事が増えてしまう、という悪循環にもつながりうる話になると思っています。

先週、Twitterでこんなつぶやきをしたのですが、これに対して多くのリアクションやご意見をいただきました。今回は様々な立場から、このテーマについての見解をまとめていきたいと思います。

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IT活用を考える際の問題点

 

まずは業務整理が必要!

IT活用×外注化が解決のカギ?

そもそもとして…医療現場が複雑化しているという話

医療機関のIT化を難しさせる問題 

最後にこの話題とは直接関係ないのですが、医療機関のIT化を難しさせている問題についてTwitterで見た話をいくつか取り上げたいと思います。

こちらはコロナワクチンの話がきっかけですが、Webと医療の組み合わせが難しい領域があることをを踏まえたうえで、IT施策を考えていく必要があります。

いち医療機関でIT活用がうまくいっていても、その横展開が難しいという話。医療機関ごとにオペレーションが違うと、ITツールにも合う合わないが出てきますよね。

オンプレミス(英語: on-premises)とは、情報システムのハードウェアを病院内に設置・導入して管理する運用形態です。パッケージ型電子カルテのイメージで、対義語はクラウドでの管理をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

これまで医療機関はオンプレミス型でのIT運用を進めてきているので、セキュリティ管理や院内ネットワークとの接続などの面で、なかなかクラウドサービスの普及が進みにくいという現実もあります。

最後がそもそものところで、「今までのやり方を変えたくない」という現場からの抵抗がありますよ、という話です。いや、この辺り実は本当に難しくて、現状必須のITツールって電子カルテだけだと思うので、それ以外のITツールに関しては「こっちを使いたい!」と思わせるだけの優れた技術や使い勝手の良さ(か強烈なトップダウン)が必要不可欠なんですよね…。

個人的に思うこと

ここまで書くと、

「ITを活用するならば、病院の運用を変えていかないといけない」

「そもそも病院内の業務が複雑が・煩雑化してきている」

「病院の内部環境・外部環境で、ITになじまない層が一定数存在する」

「IT活用と現場オペレーションをつなげられる院内人材が不足している」

などなど、難しい問題が山積していることが改めて分かります。

じゃあ病院におけるIT化は進まないのかといわれると、多分そんなこともなくて、他業界からは遅れながらも便利なものは導入されていき少しずつ進んでいくと信じています。

ただそこで大切なのは、

「IT企業側:現場の課題を正しく理解すること」

「病院側:現場の生産性を上げるために、ITツールに合わせた現場運用を考えていくこと」

のすり合わせなのかなと思っています。あとは、場合によっては今回のまとめで取り上げたような「病院の仕事をITで代替化・効率化させることを外注する」などの合わせ技も必要になってきそうです。

『医療DX(デジタルトランスフォーメーション)』の実態は、全体解決というよりかは、個々の現場の課題を一つずつ解決していくことの積み重ねなのかな、と思っています。

*こちらの記事にTweetを取り上げさせていただいたみなさま、ありがとうございました。意図と違うツイートがあれば記事内から削除しますので、その際はご連絡いただけると助かります。