再製造SUDの制度化、普及の鍵は経営上のメリット 医療現場の期待感も(Medifax digest / 2017/8/21)

本日はこちらのニュースを取り上げてみます。

 

○再製造SUDの制度化、普及の鍵は経営上のメリット 医療現場の期待感も(Medifax digest / 2017/8/21)

 

○ニュースの概要

厚生労働省が、単回使用医療機器の再製造に関する制度通知を出したことに医療現場からの注目が集まっている。

期待できること:これまで単回使用だったものが複数回使用できることによる医療材料費の抑制

クリアすべきこと:再製造した単回使用医療機器の品質と安全性の確保

 

○コメント

ここでいう「単回使用医療機器」は、手術で使用するガイドワイヤーとかカテーテルのことを指していると思われます。これらは1本で数万円から、高いものだと何十万円もするのですが、耐久性や感染管理の面から滅菌洗浄が難しいとされていて、一度使用した後の再利用はせずにポイっと捨てています。

ちなみに「単回使用」の対義語は「複数回使用」で、例としては電気メスとか内視鏡が挙げられると思います。これらは病院内で洗浄・滅菌して繰り返し使われています。

「単回使用医療機器」は材料費が高く、実はカテーテル治療とかって利益率でみると割と低めだったりします。なので記事にも出ていたのですが、材料費を下げて利益を出すために、本来は単回利用の機器を病院内で滅菌して再利用していました、という事例もあるようです(恐ろしい…)

 

「カギは経営へのメリット」と記事にはあったのですが、一番のネックは医師や感染管理者が再製造した機器で治療をしてくれるか、ではないかと思っています。同じ成分が含まれているジェネリック薬品と異なり、医療機器は1回目よりも2回目の方が痛んでいるはずですので、そういった疑いのある機器の使用に医療者側からゴーサインが出るには、メーカー側が正しく使用できることを証明できる数値が必要になってきます。

あと、再製造する場所はどこになるのでしょう?「病院で再滅菌」は品質にばらつきが出るので、禁止したほうがよいのではと、個人的には思っていますが…。欧米の病院はこういった制度が整っているそうなのですが、どのような仕組みで再製造を行っているのか、気になります。